箱型の家に住むメリット
一般的な日本の戸建て住宅建築の中にデザイナーズハウスという概念が確立してから、日本の住まいはその様式を劇的に変化させました。
それは海外由来の注文住宅などのスタイルと混ざり合い、過去には考えられなかった新たなデザイン、機能性を次々と実現していきます。
古民家の再評価や伝統と格式ある旧来の日本家屋の継承とともに、住まいという文化の中に新しい扉を作り出したデザイナーズハウスの概念は、間違いなく日本の社会生活における一分野の多様性や可能性を拡大したという意味で、近代文化確立の功労者と言えるでしょう。
さて、そんなデザイナーズハウスの中でも大定番でありながら、スタイリッシュでシンプルな外観でひと際目を惹く仕様の住宅があります。
それが近年増え続けている箱型の住宅です。
前述したように、外観に無駄な凹凸のない箱型の家は、まず非常にスタイリッシュかつシンプルな見た目が大きな特長となります。
セパレートスタイルやバイカラーを導入すればどんな雰囲気も自在に演出することができるこの建築スタイルは、あらゆるエクステリアと調和しやすいという意味でも大変汎用性の高いデザインと言えますね。
予算の面から見ても、凹凸が少ないぶん箱型住宅は建設費用が安くすむというメリットがあります。
もしかすると、近年の箱型住宅増加の背景にはこういった事情が強く作用しているのかも知れません。
また、外観や経済的な面だけではなく、機能性や間取りの面から見てもメリットはたくさんあります。
まず非常にシンプルな間取りになることから、デッドスペースが生まれにくいという大きな利点が挙げられるでしょう。
壁面が自動的に広くなる箱型の住宅では、窓やベランダにも大きなスペースを割けるという物理的な利点が生じます。
それらを最大限に活かすことができれば、実際のスペースよりも家全体が広く見えるという優れた視覚効果を得ることも可能になりますね。
また、屋根の傾斜のぶんを考慮に入れずに天井を高く取ることもできますから、採光性にも優れたデザインが実現できることでしょう。
キューブ型の造形をとことんまで活用するなら、屋上も利用することができるという他の住宅デザインにはない特長も生かさない手はありません。
建物の一部として、バルコニーやベランダよりも防犯性に優れた屋外要素のあるスペースを大きく活用できる箱型住宅の屋上なら、家庭菜園やテラスとしてもより多様性のある使い方ができそうですね。
住宅には、どのデザインにも必ず優れたメリットがあるものです。
せっかく長く暮らしていく住まいですから、その魅力を存分に楽しめる方法をライフスタイルにも取り入れていきたいものですね。
